『ブレーメンの音楽隊』〜神降臨!!(1回目)〜

人の形をした者は再びわたしに触りわたしを力づけて言った。
「大いに愛せられる人よ、恐れるには及ばない。
安心しなさい。心を強くし、勇気を出しなさい。ポッポー」。
彼女がこう言ったとき、わたしは力づいて言った。
「我が主よ、語ってください。あなたはわたしに力をつけてくださった。
好きです。狂わんばかりに大好きです。                 

       『ダニエル書 第10章 多分18〜19節あたり 』


そこは終戦から4年後の世界だった。
忙しく行き交う人々、無秩序で混沌としながらも活気に溢れている。
そんな中、トコトコ歩く一人の女の子。
彼女の周りだけ刻がゆっくり流れていた。
でも接した人間は彼女のリズムの刻みに自然と同調していく。
一見弱々しい彼女が発っする強い意思の力によって。


私も2004から1949にタイムスリップしてしまった。
英語は2つくらい言えたらいいかしら?
「ギブミーチョコレート!」「SHALL WE LOVE?」。
うん大丈夫。


ってか、凄い!!凄すぎる!!
始まった瞬間から涙が止まらなかったっす!マジやばいっす!
今までどの役を演じてきても、
圧倒的なオーラだけは放ち続けたあいぼむだけど、
放送開始直後なんて完全に気配消してたやん!!
『絶』やん!!『絶』しまくりやん!!


グリムのブレーメンがそうであるように、
“自分はダメな奴”と思いこんでる人間が
各時代の主人公になってると思ってた。
現に高ちゃんもののたんもそれが元でオバケの姿が見えてた。
でも、あいぼむだけは違うようだ。
時代背景や家族設定等、三人の中で一番辛いはずなのに
ひたむきというか前向きに感じた。
「ダメな奴」という概念は何かと比較するから起こるのであって、
戦後間も無い時代には生きる事が精一杯で
そんな事考える余裕も無かったのかもしれないという事か。
まあ、こんな事どうでもいい。とにかくあいぼむは神。


あいぼむが話す関西弁も、関西人にとっては
涙するしかない部分だったろうが、あのイントネーションはなんだろう?
私は大阪在住で聖地奈良へ営業に逝ってるが
あんな発音は余り聞いた事がない。
あの抑揚のつけかたは京都弁に近い気がするが
京都出身という設定なんだろうか。
だとしたら、自然に関西の中でも自在に方言を使い分けてる
加護師匠はやはり凄い。
まあ、こんな推測もどうでもいい。俺氏ね。そしてあいぼむは神。



『戦後』という物語としては暗くなりなりがちな時代背景の中に、
すっかり溶け込んでるあいぼむ。
彼女を通して、参考書でしか知らなかった『配給』など、
昔行われた出来事がまるで我が事のように感じられる。
真の演技にはその世界に引き込む力があると改めて思い知らされた。