『愛あらば IT’S ALLRIGHT』

先日の出来事。
車を運転しながらラジオをつけると、丁度『愛あらば〜』が流れていた。
そして曲も終わり、パーソナリティが音楽評論家らしき人物に
感想を聞いている。評論家は果たしてこの曲をどう評価するのだろうと、
ドキドキしながら聴いていたが、評論家の第一声は…


「トイレに行きたくなるような曲やなぁ」


どうやら只のボケ老人のようであった。
だが、このボケ老人は続け様に
「昔のモームスはまだ音楽になってた」
「曲調も歌詞も単純すぎる。つんくは疲れてるんちゃうか」と
言葉を展開させる。
この男は娘。を知っていた。
知った上で新曲を辛辣に批判していたのだ。


評論家の言葉に憤るが、頭の中で反論が浮かんでこない。
愛する娘。を批判された事に対する怒りが空回りするばかり。


反論などできるはずもなかった。
何故なら冷静に楽曲だけ考えると
私もこの評論家と同じ意見だったから。
起伏の無い単調なメロディラインに、凡庸な歌詞と漠然とした繋がり。
カップリングを含め、なっちへの暗喩が含まれているとも思えない。
誉めたくても誉める所が見当たらないのだ。


でも私はまだハッキリと評価するつもりはない。
発売された当初、この曲と同じような感情を抱きながらも
今では一生の名曲になったものがあるから。


『I WISH』


大阪城ホール、裕ちゃんの卒業を見送る娘。が最後に歌った曲。
裕ちゃんという大黒柱が抜ける不安や寂しさを抱えながらも、
娘。達は涙ながらも歌っていた。自分を、未来を信じるように。
あの日から、私の中でこの曲は好き嫌いを超越した存在となった。


ハロモニ、正月で観た『愛あらば〜』は
娘。達は実に楽しそうに歌っている。そこに悲壮感は無い。
厚生年金で観た時も、なっちの卒業が2週間後に迫っている事を
感じさせないものだった。
『I WISH』の頃とは違い娘。も安定してるし
当のなっちは2週間後にはミュージカル、
最後の横アリも皆笑顔のまま歌い終えるかもしれない。


どんな顔していてもいい。
表情がみたい。その時の声が聴きたい。
今のモーニング娘。の集大成がそこにあり、
そこから本当の『愛あらば IT'S ALLRIGHT』は始まるはずだから。
私の評価もそこから始まる。



横アリは立見席だから見えないだろうけどぅー。