『或る阿呆の休日』

日曜の朝はクラシックが良く似合う。
いつものサンドウィッチを食べながら
DAY&DAY(100パック入りの紅茶)のチープな香りに酔い、
BGMに子犬のワルツを流す。
いつもの朝、いつもの一時。


午後は愛馬(バイク)に乗って街を軽く流す事にした。
淀川通りを抜け、御堂筋を駆け抜ける。
春二番の風が頬に当たって気持ちいい。


そのうちなんばhatch付近で異様な集団を発見する。
集団に興味を持った私は、彼等の後をつけてみることにした。
その途中で偶然かぼ茶氏(※あやヲタ)と出合った。
どうやら彼もこの異様な集団が気になったらしい。
二人で集団を追ってみるとその先では、行列ができており
先では整理券のようなものを配られていた。


一瞬困惑したが行列が出来ていれば並ぶのが大阪人の風習。
とりあえず並んで整理券を受け取る。


そして定刻となり会場入り。
会場内ではモームスらしき曲が流れており、
一部の集団がそれに合わせて奇声をあげていた。
なんだか怖い。


やがて謎の中年男性がステージに現れ
なにやら説明を始めたがやけに高圧的だ。
べりーずこうぼう?宜しく先輩?
かぼ茶氏はニヤニヤしながら聞いていたが
私には一体なんの話か見当もつかなかった。
なんだか怖い。


中年男性が去って、しばらく待機していると
ステージ上に謎の子供達が現れた。
そしてモームスのビクトリーを踊り始めたではないか。
謎の集団も何かが切れたようにはしゃぎ始めた。
この時初めて私は理解する。


ああ、ここは子供王国なんだな


小学生に見える子供達だがそこらの子供とは何かが違う。
オーラがでていた。
(中にはそこらの子供以下な者もいたがきっと従者だろう)
彼女達の父親でもおかしくないような年齢の男達が熱狂し、
満面の笑みで応えているキッズ達。
その空間は法治国家ジャポンではない。子供が統治する王国だった。


選りすぐりな子供達だったが、
中でも一際大きな輝きを放つ御仁がいた。
『州*‘ o’リ 』こんな顔。
王だ!子供王発見!
喜怒哀楽を足してナウシカで割ったような表情をしている王。
風格が漂う。もう彼女から目を離す事はできなかった。


その後、質問コーナーなるものを終えると
一度全員舞台裏に引っ込んだ。
そして王と数人の精鋭が再度登場し
インド風な音楽に合わせて歌い始めた。
王がメインボーカルで残りのメンバーが
ファンネルのようにグルグル周る感じだった。カッケー。
最初は怖かった子供王国だが慣れてくると気分は仮面舞踏会。
迷い込んだイリュージョンだ。
絶対に身内に知られたくない一瞬、ドキドキだ。


曲を終えると次は握手会が待っていた。
ここで私の本能が叫ぶ「危ない!戻れ!戻るんだ!」と。
あと一歩の所で踏み留まった。
握手はいわば王国の住人手続きみたいなもの。
一度やってしまうと2度とは戻れない。


私とかぼ茶氏の二人だけ握手せずにその会場を後にした。
「レポ書く?」という私の問いに
「いやさすがに書けないよ!」と性犯罪者チックな笑顔で答えた
かぼ茶氏の横顔を脳裏に焼き付け帰路についた…。



日曜の夜はさんまのカラクリが良く似合う。
ジャパンの安物の赤ワインを飲みながら
『奇跡〜』のオリジナルダンスを考える。
いつもの夜、いつもの一時だ。(梨沙子生写真片手に)






_| ̄|○ .。oO(高熱出しながらHEY!&こち池放置で何書いてんだ)