神の飛びこみ(ハロモニ。)

営業。
現在の私はルートを回るだけの激甘な営業だが、
私が経験し、知りうる中で最強の営業(セールス)と言えば
個人の家にアポも取らずに訪問するという
いわいる“飛びこみ営業”がもっとも凄烈だった。


ノルマが達成できなければ休日、昼夜問わずに数字が取れるまで
働くストイックな世界。
努力だけではどうしようも無い、センスと気合がものを言う世界だ。
その世界で私は死人(しびと)となり
徹底的に戦場を生き抜く術を教わった。


『きどにたてかけせし衣食住』。
上記の暗号のようなものは、相手と接触したときに
まず最初に話しかける言葉の頭文字を取ったものだ。
(「き=季節」という感じ)
こうしてアプローチをかけて相手の警戒心を解く。


こんな調子で営業にはある種の形が存在するが、
ハロモニで観たヨネスケの講釈は
私が学んだ飛びこみ営業の技術そのものだったので驚いた。


あいぼむがこの“飛びこみ”に挑戦する…。
仕事とあいぼむが結びついた瞬間だ。
いつもとは違った緊張感であの方の行動を拝見した。


家に入り開口一番まずは赤ん坊を誉めるあいぼむ。


( ‘д‘)<私の弟と妹にソックリですね〜。


こんな誉め方聞いた事無い!いきなりの神業だ。
ヨネスケが事前に言ってたように「女の子ですか?」と聞くのが、
営業の世界でも常識だが、加護師匠はそんなマニュアルはしない。
いきなり笑いと親近感とミステリアス感全てを掴んで離さないやり方。
究極のファーストコンタクトを魅せる。


そして何気なくしゃもじを置く。
物を置く事によって相手を精神的に落ちつかせる効果を生み出す。
加護師匠のさり気ない小技が光った一瞬だった。


その後の写真があるといいながら冷蔵庫を開けた場面は
もう感動するしかない。
冷蔵庫を開けるのを止めたおばあちゃんに対して
「どうしたんですか?」と真っ直ぐな瞳で見つめる。
そしてポワワとなったおばあちゃんが写真について
語ってる隙に冷蔵庫を開け、更にはエコの為といってしめる。
もはやあの家庭は眼中になく、視聴者に対して営業を展開する加護師匠。
鬼だ。営業の鬼。


最後のシーンなどは真・営業マニュアルとして
全国の営業所に送られたと思われるほど素晴らしかった。


まずは事も無げに座る加護師匠。
手前ではなくあえて奥に座った所に深さを感じる。
体を斜めに向け、相手と心臓を遠ざけるような態勢にすると
お互いの緊張感を和らげる効果があるのだ。
それを恐らく無意識レベルで行なったのだろう。全く、底が見えない。


そしてヨネスケはダメ出ししていたが、私が見てきた
年収1000万を越える営業のプロ達は皆最速で座っている。
ヨネスケの場合座ると次の場所へ行きにくくなるという理由だろうが)


笑顔で味噌汁を「冷たい」と言い放ち、
沢庵は「コリコリしてるネ」とタメ口で感想を述べる加護師匠。
凄すぎる!こんな凄いものを拝見したら
そりゃあ結核も自然治癒するというものだ。


ヨネスケが言ってた“相手を誉め倒す”というのは
営業の基本だが、ある一定の壁を越える事はできない。凡人向け。
自己を強く持っており、自分のペースに相手を巻き込むのが一流。
信頼もされる反面、嫌われる事も多い。


誉めるだけの人間など信用してくれないし、
強引だと摩擦も生じるが、超一流の加護先生は言いたい事を
言いながらも相手に嫌われないという
年収一億級の神業を魅せてくれた!!ありえなーい。



自分と関連する事をあいぼむがやってくれた。
あの方が凄いのは判りきってたつもりだが、今回の件で更に痛感した。
例えるならF1レーサーが初めてゴーカートに乗って
コースレコードを叩き出した感じ。
あいぼむが娘。に入ったのも、Wが出来たのも全て必然か…。