『ジャパニーズフードSOS前編』

≪指令≫【義夫に真の愛を伝えよ】



羽鳥義夫(59)、吉野屋豆腐店で豆腐を作り続けて40年。
子供達は皆家を出て今は妻と二人でひっそりと暮らしていた。
その日の昼もいつものように彼が豆腐の下ごしらえをしていると
何やら表で騒がしい声が。


「あっ!希美隊員!あんな所に怪しいお店があります!」
「ホントだ!」


豆腐は時間が命。
少しでも作業に乱れが生じるとすぐに味で出てしまう繊細な食べ物だ。
外の雑音にイライラしつつも仕込みを続ける義夫。


「すみませ〜ん♪」


店の入り口から響く声。どうやら例の騒音が直接来たらしい。
「怪しい店」とはこの伝統ある吉野屋豆腐に対してのものだった。
侮辱と作業を中断させられた事で義夫の怒りは頂点に達していた。
怒鳴り散らしてやろうと店の外に飛び出した義夫が見たものは…


( 'д')( ´酈`)<こんにちは〜♪


彼は自分の目を疑った。
道路にかわいらしい神と仏が自分に向かって挨拶してきたのだ。
条件反射で挨拶を返すが、義夫は現実を飲めこめないでいた。
話を聞いてると豆腐作りの調査がしたいと頼み込んできた彼女達。
豆腐作りの過程は漢の生き様そのもの、
そう容易く他人に見せるものではないが即答でOKした義夫。
さすがの頑固一徹オヤジも万有引力には逆らえなかった。


【店内】


「子供達に昔ながらの味を教えたい」と語る彼女達。
腕にはリストバンド、爪には装飾が施された状態で戦闘準備も万全だ。
だがさすがにリストは外して貰うよう土下座でお願いする義夫と光男。


大豆を片手に大喜びし、「もやしの…もやしの…」と
何か言いたげな亜依隊員に対して「これがもやしになるんだもん」と
説明して漢の生き様を見せつけた義夫だが、
亜依隊員に釣られただけだった。義夫得意げ。でも釣り。残念。


彼にとっては普段の毎日の仕事であり、いつもの事。
その作業工程の一挙手一投足に大喜びしてくれる二人に
自然と笑みがこぼれる義夫。
地味で薄暗い作業場が彼女達がいるだけで楽園となるのだ。
熱いだけの蒸気ですら浅草寺の煙にしてしまう彼女達に
羽鳥義夫(59)の胸は熱く高鳴った。


( ´酈`)<豆腐と奥さんどっちを愛してますかぁ?


「何故ここで真知世の名前を出すのですか!?」
一気に現実に引き戻される義夫。
至福の時間を真知世なんぞの話題で汚されたくなかった。
もっともっとポワワンとしていたかった。
だが、そんな義夫の気持ちをヨソに二人は更に追い討ちをかける…


( 'д')( ´酈`)<奥さん!奥さん!


遂に真知世が召還されてしまった。
出会ったキッカケや結婚した年齢などを
照れながら話す真知世。勿論義夫は見向きもしない。
地球戦士に出会ったこと、そして真知世と結婚した現実を忘れようと
更にガムシャラに豆腐作りに力を入れる義夫の耳に
神の声が飛びこんできた。


   よく考えてみてください。結婚して子供が生まれるじゃない。
( 'д')<でも最終的に何十年後にはまた二人に戻るんですよ。


豆腐を煮込む手を震わせ義夫は泣いた。背中で泣いた。
見た目はカバだが、愚痴1つ溢さず30年間自分に着いてきた
真知世という存在がどれだけ大切なものだったのか
亜依隊員の言葉によって初めて気がついたのだ。


「ありがとう真知世。そして地球戦士様」



こうして高齢者の冷え切った夫婦関係を修復した地球戦士ω。
後編では義夫&真知世の関係をパッションな熱愛にまで
高めてくれることだろう。




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<メルフォレス>


>GIAさん
医者の知り合いですか。滅茶苦茶羨ましいですな。
チケは当然まだ持ってませんよ。
随時チケのプレゼント募集中です。(笑)


>月(ゆえ)さん
自分で振っといてアレですが爆笑は不謹慎ですよ!(笑)
完治には最低半年はかかるみたいですが、
気合でもっと早く治るようにがんばりまっす!
心配してくれてどうもでした。m(_ _)m