モーニング娘。inフェスティバルホール レポ

石川梨華が笑顔でモーニング娘。を卒業してから半年。
黄金時代を築き上げたメンバーも残るは
リーダー吉澤ひとみただ一人となった。


「今の娘。にあの頃を重ねてはいけない。」
何度も心に釘を刺すが、ライヴの度に甦る名曲の数々。
その度に過去と現在で交錯する想い。
出口の無い迷路へと意識は迷い込む。


今回、石川梨華が抜けて初のモーニング娘。コン。
センター不在と呼ばれる今のメンバーでどこまで魅せる事ができるのか。
当時の面影をさらに消した状態で
歌われる懐しき名曲達はいかに形を変えてしまうのか。不安は沢山あった。


ライヴが始まる。
ステージで歌い踊るモーニング娘。石川梨華が抜けた事を
忘れさせるほど躍動感に溢れていた。
自分の個性に更に磨きをかけて半年前より輝きを増しているメンバー達。
石川梨華という巨大な穴ができ、残された者がその穴を埋めようと切磋琢磨する。
モーニング娘。イズムは健在だった。





『恋の始発列車』『ラストキッス』など人によっては
聖域と思われる曲も今回のツアーでは多数披露されており、
保守派の私としても歌って欲しくなかった。
しかし実際聴いてみるとそれほど抵抗がない。
そこに必要性は感じないが、普通に名曲だなと感じてしまう。
何故なのだろう。
それは“聴いて”いても“観る”のは初めてだったから。
そこにある物語を知らないから。
例え昔の曲であろうとも想い入れがなければただの名曲となる。





アンコールで歌われたのは『ふるさと』。
私の中では“ふるさと=安倍なつみ”であり
最低でも一人(残りコーラス)で歌うのが鉄則。
それが集団で歌われていた。笑顔で歌っているものもいた。





久住小春をキッカケにモーニング娘。に興味を持ち、
今回から初めてライヴに参加した者とライヴ終了後に話をした。
彼にとっては全ての曲が初体験。
今まで興味がなかったので娘。の歴史も知らないし
曲に対する想い入れも物語もない。
そんな彼が「ふるさとは小春を連想させてくれる曲」だと言った。
全く想像していなかった言葉だった。





新潟から東京に出てきてまだ半年。
お風呂で泣いた事もあると発言していた小春こそが、
確かに『ふるさと』に1番近い存在なのかもしれない。





小春に惹かれて娘。を応援し始めて、彼女の新しい『ふるさと』と
共に歴史を歩んで行く。それは彼女自身もおいても然り。
昔の名曲が歌われる事の意義をようやく体感できた。
娘。もそれを取り巻く環境もファンも変わろうが歌は生き続ける。
それぞれの想いを胸に…。





ヒャークマーミピートゥーパー。