本 物

松山千春は最近デビューした歌手について評価を尋ねられると、
「あと何年か経ってから同じ質問をしてくれ」と返答するという。
タイアップや流行り先行で中身の無いアーティストが溢れる
今のJ-POP界の風潮に嘆きつつも、それでも本物は生き残るものだという
彼の信念がよく判る問答だ。


物でも人でも本物は時代を超えた普遍概念を持つ。
それはアイドルの世界とて例外ではない。
アヒル口の創設者にしてショートの鬼、90年代最強のアイドル・広末涼子
彼女もまた本物だった。


約二年前の出産から芸能界に復帰を果たし最近は映画、CMへと大活躍の彼女。
一見華々しい人生を歩んでいるように思えるが、
決してその道は平坦ではなかった。
『広末涼子』
こちらに書かれている広末の来歴を一部抜粋。



1995年3月 - 1996年に出演したNTTドコモポケベルのCM
      「広末涼子、ポケベルはじめる」で一躍有名になる


1997年4月15日 - 『MajiでKoiする5秒前』で歌手デビュー


1997年7月26日 - 原将人監督による『20世紀ノスタルジア』で映画デビュー


1998年 - 男性モデルMITUUとの交際が写真週刊誌に掲載される。
   
 
1998年10月10日 - 『銀河の約束』で初舞台。


1998年11月25日 - 早稲田大学教育学部国語国文学科に自己推薦入試で合格
        様々な情報が流布され、不正入学も囁かれた


1999年4月 - 早稲田大学に入学。入学式は欠席。さらに6月末まで授業に一度も出席せず、
    その一方で男性モデル伊勢谷友介との同棲が発覚し、大きな非難を浴びた


2001年頃 - 仕事のドタキャン、タクシーの無賃乗車、深夜のラブホテル街徘徊など、
     「奇行」癖が写真週刊誌やワイドショーなどで話題となった。
   夜遊び仲間であったいしだ壱成大麻LSD所持で逮捕される事件も発生。
     それらを根拠に薬物疑惑を主張する声も上がったが結局真偽不明。


2004年1月17日 - 岡沢高宏との結婚式・披露宴を挙行。(できちゃった婚


2004年12月23日 - 出産後初のテレビ出演。



そして2005年に女優復帰、『高知県観光親善大使』に任命され、
2006年現在では映画、CMと多忙な日々を送っている。


上記やリンク先で判るように広末涼子
芸能生活の半生はスキャンダルに塗れており、
また当時はその知名度ゆえ彼女に纏わる不穏な噂は一般にも知れ渡っていた。


これだけ正統派アイドル(女優)としては致命的な戦績を持つ彼女が、
今やコカコーラの『からだ巡茶』の宣伝広告塔となり浄化計画を推進している。
さらに50億の宣伝広告費を投じた資生堂TSUBAKI』のCMにも
田中 上原 竹内 仲間 観月と共に黒髪の似合う女性として参加。


イメージが命のCM業界の中、大企業から“ピュアな女性”を求めてのオファー。
結婚しようが子供いようが、不正入学しようが、奇行癖があろうが、
広末という人物の前ではマイナスは全て無効化される。
デビューから10年。老いて益々盛んなピロ末。
ホーストがフォータイムチャンピオンならピロはテンタイムチャンプだ。
これが“本物”というものなのだ。


今年の2月。夜空に輝く巨星が突然姿を消した。
子供達に夢を与え、常識の殻を打ち破ってきた唯一無二の星。
「永遠の末っ子」「子供キャラ」「奈良の狂犬」「ネ申」…
星は見る者によっては全く異なる光を放つ。
どれが本当の色じゃない。どの色も本当の色。


その星は前代未聞の大事件を起こした。
心無き識者はいう「過去に同じような過ちを犯して復帰できた例はない」と。
なるほど。過去はそうだったのだろうが、
トップアイドルでいながら「う○こ!」発言したり、
お笑いの巨匠達から賞賛されるトークができたり、
万人に愛される笑顔を持った子が過去にいたのかと。

広末プロの生き様を見れば判るように本物に俗説は通用しない!
何があろうと揺らがない!変わらない!





可愛さは正義!!



謹慎から4ヶ月。世間が事件を忘れるには十分な期間だろう。
忘れて無くてもこの笑顔さえあれば“忘れさせる”。



え?「最近のあのアイドルはどう思う?」だって?
スキャンダルを経験してから同じ質問をしてくれ。