題名の無いライヴ感想文

いつものアナウンスが流れてくる。お馴染みのクラシックも。
それを聞いて「やってくれるんだ」という少しの安堵感と
大丈夫なのかな?という不安が交錯する。
客席もいつもと変わらぬ様子だった。
それが強い信頼を寄せた証なのか何も考えてないのか判らない。
ただ判るのは彼女の姿を見るまではこの不安な気持ちは
いつまでも消えないということだけ。


ステージが始まった。彼女が歌い始める…。


はい。ということで行ってきました亜弥コン。
今回東京行く気は全く無かったけど、
顎関節症でライヴ中止したとか聞いたらそりゃ心配で飛んでいくっつーの!
ヤフオクで競り合った相手(最前落札履歴ありのモノホン亜弥ヲタ)には
「DDは来るな!」なんてコメントされたけど行くっつーの!
連番相手のピスが止めなきゃ借金してでも無限に突っ込んで
殺りあう覚悟だったっつーの!
そこらの亜弥ヲタよりよっぽどパッションだっつーの!
YOU喧嘩売るなら相手選びな!
このダブルユー右翼のでんでん様……ごめん。YOUの行動大正解。
話それました。


肝心の松浦さんですが最初のバラード二曲を何事も無かったように
歌い上げてくれました。その姿を見てまず安堵した。
そのままMCで顎関節症について語ってくれた。
最近痛みが酷くなってきてたと。
相模の時はギリギリまで粘ったけど戻らなくて
ドクターストップに従って公演を中止してしまった。
この件では何より私が悲しくて悔しい。
先生には診てもらいつつ今後の活動を続けたいと言い、
最後にごめんなさいと涙ながらに話してくれました。


彼女の涙を見るのは三年前の名古屋以来になるのかな。
もうすっかり精神的に大人というか完全に脱ハローしちゃってる
松浦さんだけど歌やファンに対する姿勢は変わってないんだと再確認。
んで言葉にできない安心感がありました。
本人泣いて謝ってるの見て安心とかどんだけSやねんという話だけど、
やっぱり松浦さんは松浦さんだと思ったわけですよ。


公演中止なのにラジオは変わらずやってるし、
ツアー中止したほんの数日後に通常通り再開すると公表されて
彼女の病気について知識も何も無い人からすれば
仮病ともとられかねないわけですよ。


そんな難しい条件の中での今回のライヴ。
何事も無く終われば嘘だったんじゃないの?と疑惑の目を向けられるし、
万一また中止ともなれば今度は激しい批判の声が浴びせられる。
彼女の泣いてる姿を見たせいもあるだろうけど、
昼公演ではそんな世間の雑音を吹き飛ばすようなホントいいライヴでした。


謝罪のMCが終わってからも暫らくは松浦さんも緊張してた
感じだったけど、次のMCでは年齢で突っ込むファンとのお約束の
やり取りとかで凄い優しい顔してたんです。
「こいつら変わんねぇー!」って感じで。良くも悪くも。
アンコールで歌う『夢』の静寂部分では最初若干叫ぶ人いたけど、
彼女が自分の耳を指差して「ここは聴く部分だよ」と
合図してあげて静寂が完成。
その後ほっぺに手をもっていき「OK!」のサイン。
歌い終わってからのMC第一声が「私のメッセージ届いたでしょうか?」。
ライヴに決まりは無いけど「お約束」というものはある。
そのお約束を口に出して強制せずに体で教えてあげる松浦さん。
もう素敵すぎ。


個人的には顎が最後まで心配で何もできなかったのが残念です。
「夏男ぉぉーー!」と大口開けて歌う松浦さんに心臓バクバク。
まさか夏男で泣く日が来るとは思わなかった。
でも客席で同情とか心配の顔とか松浦さんは望んでないし、
文字通り体を張って歌っている彼女に失礼だしね。


顎関節症の不安は一生付きまとうけど、
全力で歌う事を止めない彼女がいる限り松浦亜弥への不安は一生ない。