奇跡 第二章

前作の『のの 』から約3年。
辻希美さんの2冊目の写真集が発売されました。タイトルは『のんの19』
これまでの私なら辻さんの単独写真集なんて出た日には、
脳内が一週間はお祭り騒ぎ、我が家はパレード状態だったけど
今回だけは気乗りしませんでした。
十代最後だの何だのって水着満載な感じでしたからね。
ハロプロのエロ自体反対派なのに、ののが一員に組み込まれるとか言語道断。
表紙からして黒ビキニとか正直発狂ものでした。


水着ののを凝視するつもりもなかったど、
辻さん名義の写真集を買う事は国民の義務なんで勿論買いました。
「いろんな辻ちゃんを見てもらおう」という写真集のコンセプトと、
女性カメラマンというこの二点に一途の期待を寄せて。


「電話で予約してた○○です!
辻希美さんの写真集を受け取りに来ました!
タイトルは『のんの19』!竹書房から発売されているものです!」


店内に響き渡る声。
ハキハキと澱みない言葉でカウンターの男性に問い合わせた。
辻希美さんの写真集を買う男=出来る男。イケメン』と思わせる
精一杯のちょいイケおやじを演出してみた。
相手のレジの男は私の余りの威風堂々っぷりにアタフタしながら
「お、おまちください」と周りの女性店員に写真集の場所を聞いていた。
その姿を見て“勝った”と思ったが、
袋に入れて手渡す瞬間その男に笑われた気がした。
写真集を見て私の顔が緩んだのを悟られたのか、
写真集を見て男の心が緩んだだけなのか判らなかった。
単純にバカにされただけ…まさか、ナ。


帰宅して体を清めた後、早速袋から写真集を取り出す。
黒水着を着た辻さんの表紙を見た瞬間からタップ寸前に追い込まれる。
体から視線をそらしながら逃げるように表紙をめくると
一ページ目からまたまた黒水着辻さん。
早くも半泣きになりながらページをめくると
逆光線に照らされて麦わら帽子を被ってニッコリ笑う辻さんがいた。


ああ。普段のののたんだ。


その後もハラハラドキドキの展開が続いていく。
クララが立ったような衣装に胸がトキメキ、
ミニモニ。数え歌〜お風呂verみたいな衣装にキュンと切なくなり、
ストライプの水着で大仏みたいな姿に笑ってしまい、
全身リボンの水着で可愛くしてるのに変なポーズばかりするののに安心したり、
牛の置物の上で猫ひろしのマネをするののにズキュンLOVEしたり、
サングラスを頭の上に載せて気取ってるののにカッコよさを感じたり、
蝉ばりに柱にしがみ付いてるののがトリッキーすぎたり、
コーダクミもどきな衣装にそれはやめてぇぇ!と思ったり、
でもよく見たらやっぱののだしキャワキャワじゃん!アリじゃん!だったり、
黒いドレスのののがウチの兄貴とダブって見えて自分を殺したくなったりと
もう感情の変化についていくのが精一杯で、
見終わった後には文字通り手に汗握ってました。


前作の『のの』はバラエティ豊かな素晴らしい写真集で、
あれ以上変化に富んだものは今後も存在しないと思ってました。
それが3年経った今、19歳になった辻さんがもうデタラメなくらい
更に七変化も八変化もしています。
水着を着ててもコミカルなポーズが多いし、
その他の写真も辻さん自身が決めたと思われるポーズばかり。


撮影者の方が同性であった事や己のエゴを捨てて、
辻さんの最大限の魅力を引き出そうとしてくれたんだなと
写真素人の私でもよく判る内容です。
付録のDVDもまた贅沢な一品となっております。
次課長のタンメン顔、レイザーラモン猫ひろし
辻さんの得意モノマネが勢ぞろい。楽しんで撮影してます。


写真集を見終えた後、19歳になってもいい意味で何も変わらない辻さんに
なんだか心を救われたというか甘酸っぱい気持ちで胸が一杯になりました。
人の心に永遠なんて無いのは判ってる。
人の気持ちは変わるものだし、変わらなきゃ成長も進歩もない。
でも変わっちゃいけないココロもある。
私は辻希美さんだけは唯一変わらないココロを持っていると信じている。
だっておばあちゃんになっても「ののはねぇ!」とキラキラと
瞳を輝かせてる姿が目に浮かぶもの。